養蜂のトラブル対応

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養蜂を始めようかと思ったときに気になってしまうことのひとつに、

「近隣住民とのトラブルの心配とその対策」

があるのではないでしょうか。

近隣住民からの刺されたというクレームや、蜂の糞が洗濯物や車を汚すというトラブル。

はたまた刺されてもいないしミツバチの糞害もないけれど、「ただただ怖い」という訴えなどなど。トラブルになりそうなことはたくさん思いついてしまいますよね。

今回はそんな心配事は本当に起こるものなのか、そして起こってしまったときにはどうしたらよいかを今までの経験を交えて解説いたします。

この記事があなたの養蜂のクレーム予防や起こってしまったときの準備になり、ストレスのない副業養蜂のお役に立てるよう記してまいります。

どんなクレームがある?

さて。養蜂という蜂を大量に扱う仕事となると、様々なクレームが起こりそうだなと容易に想像はつきます。

では、いったいどのようなクレームが多いのでしょう??改めて整理してみましょう。

・刺された

・怖い

・ミツバチが部屋に入ってきた

・分蜂群が庭の木に集まった

・ミツバチの糞で洗濯物や車が汚れた

これらが主だったトラブルになることです。

あくまで私の実体験

まず、私が巣箱を置いたことがある場所は住宅地1箇所と、中山間地や林などに10箇所あります。

現在は住宅街に1箇所と、森に1箇所、中間山地の農地に2箇所に巣箱を置いてます。

「置いたことがある」という意味は、蜜がたくさん採れる場所を探してトライ&エラーで色々な場所に置いたためであり、クレームが来て異動を余儀なくされているということで貼りませんありません。

このように色々な場所に巣箱を置いてきたのですが、そんな私の経験ベースでのお話しで、いままでクレームが来たのは2回です。

1回目はミツバチによる糞害での苦情で、もうひとつは土地を貸してくれた

農家さんが訴えてきた「刺された」というクレームです。

糞害が一番多いと思います

「刺された」という訴えは、意外なことにありそうでないトラブルです。

そもそもミツバチは巣箱の近く以外で人を刺すことはそうそうありません。

昆虫は極めて合理的な生き物なので、自分の巣を守るということ以外、刺すという無駄なエネルギーは消費しません。

「山で蜂に刺された」などよく聞きますが、間違いなくその近くに巣があったはずです。

いきなり関係のない場所ですれ違い際に刺されるとか、江戸時代の辻斬りのようなことはまずありません。

ちなみに私は養蜂場の横で暮らしていますが、作業で巣箱を開けたりしたとき以外で刺されたり刺されそうになったことは、14年やっていていまのところありません。

そして私が刺されたと訴えがきたのも巣箱から50m近く離れた場所で、そこで刺されるのは現実的ではありません。

そして刺された箇所を見せてもらっても、腫れてもいなければ赤くなっているわけでもありませんでした。

もしかしたら、農地を借りてからのやり取りで私を気に食わなくなったか、なんらかの事情で返してほしくなったのかな、と判断し、巣箱を移動させました。

しかしこういった「刺された」というクレームは、14年の歴のなかで1回だけなので、意外とないものです。しかもその真偽は少し疑わしいものであったわけですし。

そして他の養蜂仲間に聞いてもそうなのですが、一番多いのは、「糞害」のクレームです。

糞害の対策

私が発生させてしまった糞害のトラブルは、白い車と白い物置を所有していた近隣の方が、「車がと物置が汚れる」というクレームでした。蜂場からの距離は、40mほど離れた住宅です。

ミツバチは白いものに糞を墜とす習性があるため起こったトラブルです。

実際に現場を見せてもらったら大量ではないものの、たしかにミツバチの糞がいくつか車や物置についてしまっていました。

そこで示した対応策としては、ミツバチの巣門という出入口を違う方向に向け、その家に方向にはあまり飛んでこないようにすること。

白いシーツを養蜂場に広げてそこで糞をするよう促したこと。そして、巣箱のいくつかを別の場所へ異動させ、飛来するミツバチの数を減らしたこと。

「それでも被害が収まらないようなら、またお知らせください。」とお伝えしました。

ただ、これでは根本的な解決にはならないので春と秋のミツバチがよく飛来する季節は住宅街の蜂場には巣箱は置かず、ほとんど飛来しない冬の間だけ置くように計画をすすめています。

じゃあクレーム対策はどうするの??

養蜂を始めるときに心配なトラブル。

そのトラブル対策で一番注力しなければならないのは「糞害」です。

しかし糞害対策は白いシーツを広げることや、巣門の位置を調整するなど自分ができることは限られています。

いうまでもなくクレームが発生する要因は、近隣住民の理解や周囲の環境など、そのほとんどが自分の努力ではどうにもならない外部要因からくるものです。

じゃあどうするの??

今私が初心者で養蜂を始めるなら、3月か4月に始めます。そして始める前に近隣住民に一度話しておきます。

「ちょっと養蜂をやってみようかと思うのですが、なるべく迷惑にならないように気をつけますね。」

そして3月か4月に巣箱を置いて養蜂を始めると5月中旬か下旬には蜜が採れるので、すかさずおすそ分けとして持っていきます。

「クレームが来ないか心配するより、むしろ積極的にコミュニケーションを取る」という最強で鉄板の方法です。

そして私がクレームを受けたのも、養蜂を始めて8年目くらいでミツバチの群が50群れ超えたあたりなので、2~3群で始めてほんの数カ月でクレームがくる可能性はかなり低いはずです。

まとめ

「養蜂=クレームが心配」

というのは仕方ない部分もあります。

しかし養蜂に限らず、どんなことでも人と少し違うことをすると、こちらに瑕疵があろうがなかろうがクレームは来るものです。

こちらに問題があれば、もちろん解決し対処しなけれればなりませんが、工夫と行動で回避・対処できない問題でもありません。

「養蜂」はあなたの生活を経済的に自由にする可能性がある事業です。

それを諦めないためにも、怖がらずにまずはやってみるのがおすすめです。



この記事を書いた人

西山リョウ

明治大学 政治経済学部 経済学科 専攻:労働経済学

大学3年次、4年時に「労働経済学」の研究室(ゼミ)に在籍。研究に研究を重ねた結果、

「どうやら私は働くことが好きではないようだ」という事実を発見する。

そして卒業後にふつうに就職し、その後は地方公務員へ転職。 そして会社勤めが精神的にいよいよ限界を迎えたころ養蜂家へ転身。

初年度から収益化。その後は生産するハチミツがふるさと納税の返礼品 になり、市の観光協会でも取り扱われる商品になる。 そして県立動物公園の養蜂コーナー設立の技術指導、コンサルを請け負い、はちみつ専門メディアの「はちみつ大学」のライターとしても活動中。

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