私が養蜂を始めた理由

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かつては「一つの会社で働くまで働く」ことが一般的でしたが、今では副業や転職が当たり前になってきました。

特にリモートワークの浸透は、副業のハードルを大きく下げ、仕事とプライベートを両立しながら新たなスキルを身につける人が増えている印象を受けます。

終身雇用制度の崩壊や物価格上昇などの影響で、「会社だけに頼るのはリスクが高い」という意識も広まってきているのかもしれません。

その結果副業で収入源を増やしたり、より良い環境を求めて転職することがポジティブに受け止められ、企業側も副業を認めて多様な働き方を受け入れられつつあります。

今後は個人のスキルや経験を考慮し、柔軟にキャリアを構築することがより重要になってくるでしょうし、この流れは今後も加速して続いてゆくだろうと思われます。

そんななか、ライター、WEB製作等、さまざまな副業にチャレンジした私が

「どうして養蜂っていうニッチなジャンルを選んだの??」

という理由をお話します。

ちなみに養蜂というジャンルを選んで、「本当によかった!」と思っています。

地方公務員勤めで疲労困憊しながらも、最高の選択した過去の自分を今はほめてあげたい気分でいます。

理由❶ 携行性があるスキルが欲しかった

現代は働き方が多様になって、場所に縛られずに仕事をする人が増えています。WEBライターやWEB制作、プログラマーなどのエンジニア、などなど。

公務員時代は、日曜日の午後は憂鬱で何もする気が起きず、月曜日に通勤時にクヨクヨしながらも東武東上線に乗車。当時、朝早く田舎路線であったため、満員電車ではなく普通に座って出勤はできました。

しかし、いくつもの駅を通過して勤務地である池袋駅が刻一刻と近づいてくると、嫌な汗が出始め、心の鉛が重みを増していくのを感じていました。

そんなこんな、なんとかかんとか自分を奮い立たせて出勤したものの、出勤したら出勤したで上司や同僚に気を遣い消耗していた私。

そんなとき、カフェや自宅で自分のペースではたらくフリーランスという仕事があることをテレビで観て知り、

私も「そんな働き方ってあるんだ。まあ、スキルのない私には無理そうだけど、いつか自分の好きな場所で働き、自由なライフスタイルを送れたらいいな。。。」

と思っていました。

そうはいってもプログラミングやライティングなどの技術、自分で稼いでいくなんて全くなく、

「もし万が一そんな自由な生活を目指せるのなら、なにから始めたらよいのだろう。。。」とも考えていました。

そんなとき出会ったのが養蜂です。

なぜ自由な生活と養蜂がつながったかというと、養蜂について調べてゆくうちに、養蜂は農業のひとつではありますが他の作物栽培と違い、土地に縛られることはないことを知りました。

巣箱とミツバチと養蜂技術は持ち運べますので新しい土地でも続けられ、場所を選ばない自由な働き方が可能になります。

また、都市部の屋上や郊外の小規模な土地でも実践できるため、引っ越しや生活スタイルの変化にも柔軟に対応できます。

このように、養蜂は自分で持ち運べる携行性のある技術です。私はその特性に魅力を感じ、

「養蜂なら、もしかしたら場所に決めずに自由なライフスタイルを実現できるのではないか」

と考えるようになり思い切って挑戦し、数年後に自分の理想とする暮らしを手にしました。

理由❷ 「里山資本主義」という本との出合い

どうにか自由で疲弊しない生き方ができないかなと考えていた私は、そのヒントになりそうなありとあらゆる本を読みました。

おそらく100冊以上は軽く超えているかと思います。

気持ち的に、けっこう追い詰められていたのでしょう。

そんなとき出合った本は、藻谷浩介氏とNHK取材班が書いた「里山資本主義」という本です。

本を引用すると

経済の常識」に翻弄されている人とは、たとえばこのような人だ。

もっと稼がなきゃ、もっと高い評価を得なきゃと猛烈に働いている。必然、帰って寝るだけの生活。ご飯を作っている暇などない。だから全部外で買ってくる。洗濯もできず、靴下などはしょっちゅうコンビニエンスストアで新品を買っている。

ここで大事な点は、猛烈に働いている彼は、実はそれほど豊かな暮らしを送っていないということだ。もらっている給料は高いかもしれない。でも毎日モノを買う支出がボディーブローになり、手元にお金が残らない。だから彼はますますがんばる。がんばったらがんばっただけ給料は上がるが、その分自分ですることがさらに減り、支出が増えていく。「世の中の経済」にとって、彼はありがたい存在だ。しかし、いびつな生活だ。

今の経済は、このような暮らしぶりを奨励している。「ちまちま節約するな。どんどんエネルギーや資源を使え。それを遥かに上回る収益をあげれべいいのだ。規模を大きくするほど、利益は増えていく。それが「豊か」ということなのだ」と。

引用 ~里山資本主義

そのとき思ったことは、

「あ。これ、”給料が高い”という部分を除いて私のことだ。。。」

そんな書籍の中で、もともと別の仕事をしていて養蜂の経験が全くない人が、山口県の周防大島で養蜂業をはじめて暮らしている。

という記事もありました。

「もう年齢的に30代中盤だし、やっぱり自分が与えられた場所で我慢しながらやっていくしかないものなのかな。。。」

と思い始めていた私にとって、

「人生や自分の生活を好きなようにデザインすることってできるものだし、生きてゆくことって実は私が思っているより自由なことなのかもしれない。」

と目から鱗が落ちたのを覚えています。

そしてそこで登場する人たちが、経済の動向に翻弄されず、自分の価値観ややれることにフォーカスして、自分らしく楽しく笑顔に暮らしている様子がとても印象的でした。

まとめ 読書習慣が自分を救うこともあります

私が養蜂を始めた主だった理由はこんな2つの理由です。

そしてしつこいようですが、本当に当時の自分の決断をほめてあげたいです。

あのまま疲弊しながら時間が過ぎてゆく日々を今も過ごしていたと思うと、恐怖に近い感情さえ覚えます。

そしてさんざん本を読み漁ってきた自分もよかったと思います。

一冊の本が、だれかの運命や将来をかえるのだな、と、身をもって感じています。

なので自分の未来を変える可能性すらある「読書の習慣」は、本当にオススメです。

それはたとえ養蜂ではなかったとしても、自由でストレスのない、よりよいあなたの未来を作る出合いになる可能性があるのですから。



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この記事を書いた人

西山リョウ

明治大学 政治経済学部 経済学科 専攻:労働経済学

大学3年次、4年時に「労働経済学」の研究室(ゼミ)に在籍。研究に研究を重ねた結果、「どうやら私は働くことが好きではないようだ」という事実を発見する。

そして卒業後にふつうに就職し、その後は地方公務員に転職。 そして会社勤めが精神的にいよいよ限界を迎えたころ養蜂家へ転身。

初年度から収益化。その後は生産するハチミツがふるさと納税の返礼品 になり、市の観光協会でも取り扱われる商品になる。 そして県立動物公園の養蜂コーナー設立の技術指導、コンサルを請け負い、はちみつ専門メディアの「はちみつ大学」のライターとしても活動中。

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