養蜂に興味がでてきた。ハチミツを採って稼ぎたい。という気持ちになったとしても、じゃあいったいどこでどういう風に売ればいいの??
マルシェに出店?アマゾンや楽天に出品?ECサイトを構築したほうがいいの?
今回は採れるまで考えてなくて困ってしまうことがある「販売」について解説いたします。
直販や委託、ECサイトなどいろいろな売り方はありますが、それぞれのメリット・デメリットについて分析・研究していきます。
せっかく興味がでたとしても、先に不安や心配事、疑念があると、なかなか身が入りません。
この記事が、あなたの養蜂の「採ってから販売するまでの道筋」をはっきりさせ、副業で稼ぐモチベーションアップになれば幸いです。
パン屋、飲食店、道の駅での委託販売
いきなり結論ですが、これがいちばんおすすめです。
委託手数料が取られてしまうというデメリットがあるとはいえ、「販売」という作業を委託できてしまうので、本当に楽です。
どんな会社の商品やサービスでも、それを製造する人と売る人(営業)の半々に分かれています。
その売る人、という人員を手数料という形で委託できてしまうのは、とても楽でありがたいことです。
なぜなら販売員や営業マンといった人をコストをかけて雇ったり、もしくは自分で直販をやるにしろ、その時間と手間を投下する必要がなくなるからです。
そうはいっても、お店や道の駅なんかに商品を置いてもらえるよう交渉したことなどないよ。。
と思われる方もいるかもしれません。しかし心配ありません。
まず断られることはありません。
国産はちみつは希少性が高いということと、販売価格が他の食品より高価なので手数料的にもお店のメリットになるからです。
私もたくさんのお店にハチミツをおいて頂いてはおりますが、いまだに断わられたことはありません。
むしろ、「うちの店に置いてください」と言われることもあり、自分でお願いしにいったパターンと、ハチミツをお店に置くことを頼まれた比率は、半々くらいでしょうか。

そうはいってもネットで物を買うことが一般的な現在。ECサイトを構築することや、アマゾンや楽天などのモール型ECサイトへの出品はどうなのでしょう。
それぞれ検証してみましょう。
ECサイト
BASEやSTORESなどで、本当にだれでもECサイトは作れます。パソコンに慣れていない方でも、1~2時間あればそれなりのECサイトはできるでしょう。テクノロジーの進化の速度はスゴイです。
しかしここで2つの問題が起こります
❶発送が面倒くさい
特に副業でやる場合はそうなのですが、散発的にくる注文に対して、その都度発送せねばならず非常に面倒です。
本業の仕事をしているときでも、「あ。明日の休みにハチミツ発送しないとだ。」と思うと、意外とげんなりしてきます。

❷見つけてもらえない
そもそもネットであなたのハチミツを見つけて貰うのは至難の業です。
たとえば「国産 はちみつ」というワードで検索しても、無数のサイトが出てきます。
そんななかで、「あなたの蜂蜜を見つけてそのうえで興味を持ってもらい購入まで至る」、というのは可能性としては高くはないのではないでしょうか。
これは専門的な話しになってしまいますが、検索ワードからそのサイトが上位に表記されるよう、サイト管理者によりさまざまな努力がなされています。
つまり、ユーザーが「蜂蜜 国産」と検索したときに上位に表記されないと、見つけて貰えず売れないからです。
いわゆるこれはSEOというものですが、場合によってはライターさんに記事や文章を有償で発注したりもします。
そうすることでそのサイトが上位に表記されるのですが、そのコストと手間を考えると、始めはホームページを立ち上げてECサイトを作ることは、まだやらなくてもよいかと思います。
それは規模が大きくなり、事務的なことを任せられる人を雇えるようになってからでも十分です。

Amazonや楽天市場などのECモールへの出品
圧倒的な集客力や信頼性があり、モール型ECサイトでの出品はメリットはたくさんあります。
しかしその反面、
・競合が多くて埋もれてしまう
・直接的な顧客関係を構築することができない
・モールの運営規約に従う必要があり、突然のルール変更やアカウント停止のリスク
というデメリットも存在します。

特に直接的な顧客関係を築けず、リピーターを育てづらいというのは大きなデメリットです。
これはハチミツにかかわらずそうなのですが、新規の顧客を捕まえるのは、お得意様をキープするより5倍もコストがかかると言われています。
マーケティングにはLTVということばがあります。顧客が自社と取引を始めてから、関係が終了するまでにトータルで得られる利益のことです。
つまり、自社のハチミツを一生涯でどれだけ買い続けてもらえるか、ということです。
現代では、新規顧客の獲得ハードルやコストが高くなっていることから、既存顧客の維持が重要視されています。
ECモールではその関係が築けないのが大きなデメリットです。
繰り返しになりますが、一生のうちにどれだけ自分の会社のハチミツにお金を落としてくれるか、というところに労力や時間などのリソースを割いた方が合理的です
弊社では毎年春になると5万円分毎年買うと決めていて毎年買ってくれるかたや、イベントで販売するために10万円分毎年買っていく方などがいます。
こういった顧客の方々は、経営上とてもありがたい存在です。
まとめ 近所の飲食店や道の駅から販売を開始しましょう
委託販売、ECサイト、ECモールの三つで検証いたしました。そのなかで委託販売が一番おススメです。
そもそも国産ハチミツ という商材は、あえて全国区へ打って出なくても近隣で勝手に売れていきます。そして売り切れます。
そうであるならば、販売やマーケティングに時間や労力を費やすより、養蜂技術向上と生産に力を注いだほうが合理的かもしれません。
委託販売は5%~20%の委託手数料はかかってしまうものの、その手数料で「集客・販売」を自分でやらずに任せてしまえるなら安いもの。最初は生産に自分の時間と労力を集中し、養蜂技術の向上に務めるのがベストかもしれません。

この記事を書いた人
西山リョウ
明治大学 政治経済学部 経済学科 専攻:労働経済学
大学3年次、4年時に「労働経済学」の研究室(ゼミ)に在籍。研究に研究を重ねた結果、「どうやら私は働くことが好きではない。」ということを発見する。
そして卒業後にふつうに就職し、その後は地方公務員に転職。 そして会社勤めが精神的にいよいよ限界を迎えたころ養蜂家へ転身。
初年度から収益化。その後は生産するハチミツがふるさと納税の返礼品 になり、市の観光協会でも取り扱われる商品になる。 そして県立動物公園の養蜂コーナー設立の技術指導、コンサルを請け負い、はちみつ専門メディアの「はちみつ大学」のライターとしても活動中。
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